14時から、神戸市垂水区にある「神戸少年の町」を埼玉県議会福祉保健医療委員会で視察調査。ここは、乳児院、児童養護施設、子ども家庭支援センターを併設した、高台の緑多き社会福祉法人の福祉施設。
米国ネブラスカ州のオマハに少年の町と呼ばれる少年たちの更生自立支援施設をつくったことで知られる聖職者エドワード・ジョゼフ・フラナガン(Edward J. Flanagan)神父が大戦終結直後来日。GHQのマッカーサー元帥からの「日本の戦災孤児、中国大陸や満州からの引き上げ孤児への対策について助言がほしい」との意を受けての来日だったらしい。その折り、わが国の佐々木神父に少年の町建設を進めたのがこの施設の原点だ。
乳児院20名、児童養護施設70名が定員。何かの事情で親の元で成長することが出来ない、子どもや赤ちゃんが預けられ育てられていた。
親を信頼し親に守られ健やかに育てられるはずの子供たち。しかし、その親に虐待を受けるという悲惨な事件が後を絶たない。
「神戸少年の町」では、虐待をした親に二度と過ちを繰り返さないためにと、米国で開発された虐待防止プログラム「コモンセンス・ペアレンティング(CSP)」を指導している。さらにこれをベースにオリジナル開発した『神戸少年の町版CSP』の実践と普及に取り組んでもいた。
これはいわば虐待をした親の更正を支援するプログラムだ。「受けないと子どもを返さない」という意志が強く感じられた。「親からの強引な引き取り要請に、なす術もなく子供を返さなければならなかった不安感と挫折感が、CSPを始めたきっかけ」と担当者は語っていた。
このCSPは全国に普及がはかられている。埼玉県でも導入への検討を模索するべきだ。
また、「継父による虐待は実父の7倍、虐待死は100倍」という米国データの報告も受け慄然とした。