2月定例会が閉じた。
平成24年度の埼玉県予算案は、議会から賛意を持って可決された。
他の83議案も可決された。
開会日冒頭に知事が述べた、予算編成の考え方や分野ごとの重点政策について、改めて読み返し復習しておくのも意味のないことではないと思う。
〔予算編成の基本的考え方〕※要約
我が国は、持続的な成長を図る上で制約となる人口減少や超高齢社会の到来という大きな課題に直面している。
さらに今回の大震災を機に、エネルギー政策の見直しや放射能汚染への対応などこれまで想定しなかった課題が加わり、我が国は今、極めて深刻な状況にある。
一方で、日本には世界一の対外純資産、成長著しい東アジア地域に位置する地理的優位性など、諸外国にはない強みがある。
国の政策を待つのではなく、地方自らが時代を先導していく。私は、ここ埼玉で壮大な実験に取り組み、新しい成功モデルを発信していくことで、日本再生をリードしていく決意だ。
このような基本的な考え方に基づき、平成24年度当初予算については、「埼玉から日本を元気に」をテーマとして予算編成に取り組んだ。
特に、「エコタウン」「ウーマノミクス」「健康長寿」の三大プロジェクトをはじめとした安心・成長・自立自尊の埼玉の実現に向けて、限りある財源を効果的に配分。
その結果、平成24年度の予算案の規模は、一般会計では1兆6777億2200万円、対前年度伸び率では、0.7%の減となった。
特別会計では 5171億4835万8千円、対前年度伸び率では16.3%の増、
企業会計では 2026億1666万2千円、対前年度伸び率では0.3%の減。
〔平成24年度予算案の概要〕※要約
歳入の中心の県税は、年少扶養控除の廃止等に伴い個人県民税などに増収が見込まれる。前年度を135億円上回る6350億円を計上した。
地方交付税は、地方財政計画で、増大する社会保障関係費への対応のための増額が図られた。これにより、前年度を46億円上回る2059億円を計上。
県債は、臨時財政対策債は増加したものの、地方財政計画を踏まえ、前年度を16億円下回る2992億円を計上。
一方、財政調整のための基金は、財源不足を補填するため、平成23年度より18億円少ない524億円を取り崩す。
続いて、県政の重点政策分野ごとに、歳出の主な内容につき説明したい。
1 大規模災害への備え※要約
大規模な広域災害や放射能汚染等これまで想定外の事態への対策をしっかり講じる。
従来の地震被害想定を見直す。地域防災計画の改正や地震被害想定調査を行う。
また、帰宅困難者への対策を講ずる。
駅前滞留者対策として県内主要駅に対策協議会を設置し関係機関との連携を深めるとともに、都心からの鉄道に並行する主要幹線道路に照明設備などを整備する。
さらに、大規模災害時に救命活動や物資輸送を行う緊急輸送道路の機能を確保するため、橋梁や沿道の建築物、公共下水道マンホールの耐震化を促進。県営公園の防災機能を強化するため、広域避難場所となる所沢航空記念公園をモデルとして自己発電型照明灯やマンホールトイレなどの防災関連施設を整備する。
2 子育ての安心※要約
子育てに関する様々な負担や不安を軽減し、誰もが子どもを生み育てることに喜びを感じる社会を実現する。
認可保育所の整備等に加え、新たに企業内保育所の共同設置への助成を行う。4000人分の受入枠を拡大。
また、地域子育て支援センターへの支援、パパ・ママ応援ショップの充実等社会全体で子育てを応援するムーブメントの醸成に取り組む。
さらに、発達障害がある子どもたちとその家族への支援を充実させる。具体的には、地域療育を充実させるため、県内4か所の障害児通所施設を活用し個別療育のモデル事業を実施していく。
3 健康・介護の安心※要約
三大プロジェクトの一番目の「健康長寿埼玉プロジェクト」を展開していく。生活習慣病の予防等の「健康づくり」と、就労や地域活動などによる「生きがいづくり」の相乗効果を踏まえた「健康長寿埼玉モデル」の構築を目指す。
高齢者が地域社会に積極的に参加していく健康長寿社会の枠組を市町村と共同でつくり、健康長寿の国日本のモデルにしていく。また、多くの高齢者やその家族は、介護や支援が必要でも、できるだけ住み慣れた自宅で生活することを望んでいる。そこで、新たに介護と看護のサービスを切れ目なく一体的に提供する「24時間定期巡回・随時対応型サービス」の普及を図る。
さらに、在宅での介護生活が困難になった場合のセーフティネットとして、引き続き特別養護老人ホームの整備を積極的に進める。
4 医療の安心※要約
さいたま新都心第8-1A街区に、県立小児医療センターとさいたま赤十字病院を移転立地し医療拠点の整備を進める。両病院を一体的に整備し連携を図り、高度な周産期医療と救命救急医療を提供していく。
現在の小児医療センターに、患者や家族の皆様方の不安に応えるため、その機能の一部を現在地に残す。
また、医師確保対策の推進は、本県出身の県外医学生に対して奨学金を貸与する制度を新設。医師の県内への誘導・定着策を一層強化する。
さらに、防災ヘリの3機体制に併せて、早朝・夜間のドクターヘリ的運航を再開。県民が安心できるドクターヘリ24時間体制を整備する。
5 雇用の安心※要約
将来にわたり活力のある社会を実現するため、個々のライフステージに応じたきめ細かい就業支援を実施する。
新卒者やフリーターなどは「ヤングキャリアセンター埼玉」を拠点とし総合的に支援。特に、大学生の就職支援は、大学の主体性を生かし、県内企業と連携して交流会や就職面接会などを開催。県内企業とのマッチングを促進する。
また、中高年齢者に対しては、引き続き「中高年就職活動支援コーナー埼玉」を拠点として就業を支援。新たに障害者雇用サポートセンターに企業誘致専門員を配置し障害者雇用に積極的な企業などを誘致することで、障害者雇用対策を強化する。
6 時代に応え未来を拓く人材育成※要約
全国一の規模でスタートした「埼玉発世界行き」奨学金を、更に展開する。
帰国する留学後の奨学生が、グローバルに活躍するため、必要な実践力の養成や県内企業との交流会開催など、フォローアップをする。
将来担う人材育成のため、大学や企業と連携し、グループ学習など生徒が主体的に学ぶ授業の改善に取り組み、コミュニケーション能力や問題解決力などを育成する。
この他、中学生になり不登校やいじめが増加する「中1ギャップ」などへの課題にも対応するため、小・中学校9年間の連続性を重視した教育を推進していく。
7 世界水準の中小企業育成※要約
今後の成長を期待する新エネルギー分野や医療福祉分野に関する研究開発プロジェクトを立ち上げ、県内中小企業の成長分野産業への参入を促進していく。
引き続き「次世代自動車支援センター埼玉」を中心に次世代自動車産業への参入を強力に支援。
さらに、アジア・日本の双方が豊かになる「埼玉・アジアプロジェクト」を推進する。
この他、県内企業の海外進出支援を強化するため、新たにベトナムにサポートデスクを設置。成長の見込める医療機器分野の米国市場への新規参入を支援する。
制度融資は、県内金融機関の全面的協力で、長期固定金利を0.1%引き下げる。
8 埼玉農業の競争力強化※要約
大消費地の中の産地である強み生かし、他産地と差別化できる取組する産地を支援。全国に通用するブランドを産地と共に育成する。具体的には、枝豆、さといも、ブロッコリーの3品目に着目。高品質を保ち一気に生産を拡大する。
また、新たな農業の担い手を確保し育て、彼らに農業経営法人化の支援などを行う。
さらに、管理栄養士や中小企業診断士を活用。生産から加工・販売までを一体的に行う6次産業化に取り組む産地を支援。地域農業者全体の収益力向上を図る。
一方で、福島第一原子力発電所の事故による農畜産物等への放射性物質の影響を徹底的に調査し公表することで県産品の安心・安全を積極的にPRしていく。
9 新エネルギー埼玉モデルの構築※要約
三大プロジェクトの二つ目の「埼玉エコタウンプロジェクト」の更なる展開を図る。県内5市町の提案につき調査を実施。
本年3月までに事業実施の可能性、民間事業者の参画方法や規制緩和の必要性などを検討し、4月を目途にエコタウン実施市町を決定。今後、各市町が地域の特性に応じ、再生可能エネルギーを中心とした創エネと徹底した省エネによるエネルギーの地産地消に総合的に取り組んでいく。
また、太陽光発電の創エネルギーとLED照明の設置などによる省エネルギーからなる、電力自活住宅の普及を支援。
10 みどりと川の再生※要約
「水辺再生100プラン」をステップアップ、新たに「川のまるごと再生プロジェクト」を推進する。市町村のまちづくりと一体となり、河川だけでなく農業用水も対象にし、上流から下流までのまるごと再生に取り組む。地域の川を自分たちで守る「川の守り人」が最近大変多くなり、自立自尊の川の再生活動が定着している。今後は、「守り人」同士の連携を強化するため、「彩の国水すましクラブ」と「水辺のサポーター」を「川の国応援団」に統合し、支援の充実を図る。
地域の方々が愛着を持ち、通行する方々が地域らしさを実感できる「まちのシンボルロード」を整備。「彩の国みどりの基金」を活用し、駅前通り沿いに「まち」を象徴する街路樹の植樹も実施。
11 女性がいきいきと輝く社会の構築※要約
三大プロジェクトの三つ目。「埼玉版ウーマノミクスプロジェクト」を展開していく。女性が働き手や消費・投資の担い手となり、経済成長や社会の活性化につながる仕組みづくりを提案していく。
出産で女性が仕事を辞めず、育児との両立ができるよう多様な働き方を広く普及させる。県内企業2000社を訪問。短時間勤務制度の導入を徹底する。短時間勤務やフレックスタイムなどの複数の働き方を実践する企業認定制度を設け、毎年500社を認定目標にする。
県庁舎の一部を活用し周辺の企業と共同で協議会を設置し運営するモデル保育所の整備を図る。今後は、その運営ノウハウを普及し工業団地等での共同利用型保育所の整備を促進する。
女性の起業を支援するため、必要資金を有利な条件で融資する「女性経営者支援資金」を創設。
12 日本一の共助県づくり※要約
元気な高齢者が支援が必要な高齢者を助ける「地域支え合いの仕組み」を支援。共助社会づくりを進める。
また、日本一の数を誇る「わがまち防犯隊」の活動などで治安は確実に回復した。今後自主防犯活動の更なる充実を図る。団体のレベル向上を図るセミナーの開催や活動支援を行う。団体支援に取り組む市町村を支援。
また、自転車安全利用を推進するため、新たに委嘱する指導員の活動等を通じ、自転車安全利用の県民ムーブメントを創出し、自転車利用者のマナー向上を図る。
障害者就労施設利用者の工賃を上げるため、豊富な知識や経験・技能を持つ企業OB等のシニアを活用することで、競争力のある授産製品開発や販路の拡大を図る。
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